■こちらからダウンロードしてください → 40号 2023年11月(PDF版)
<目次>
・初めの言葉
・ビビグル学校最新報告
・地震災害支援カンパのお知らせ
・アフガニスタン地震の性的偏り
・RAWAよりお礼と報告
・バーミヤンの教育センター
・アートコース開始
・医療チーム派遣
・東京勉強会レポート
・アフガニスタン連帯の詩
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<目次>
・初めの言葉
・ビビグル学校最新報告
・地震災害支援カンパのお知らせ
・アフガニスタン地震の性的偏り
・RAWAよりお礼と報告
・バーミヤンの教育センター
・アートコース開始
・医療チーム派遣
・東京勉強会レポート
・アフガニスタン連帯の詩
現地の様子
10月7日午前、アフガニスタン西部で発生したM6.3の地震で、死者数が2400人を超えたとのことです。
震源地のヘラート州では、RAWA(アフガニスタン女性革命協会)の関係者がサフランの栽培をし、販売して生活費としてきました。
RAWAは、緊急支援活動を始めていますが、財政の限界に直面しています。
地震被害は性別年齢を問いませんが、女性や子どもたちがとりわけ大きな困難に陥っていると思われます。
まもなく厳しい冬がきます。
みなさまに緊急支援カンパを呼びかけます!!
カンパの振り込み先
カンパ振込先(ゆうちょ銀行)
記号番号 00930-1-76874
名義人:RAWAと連帯する会
ATMまたは他銀行から振込の場合
ゆうちょ銀行
支店 099(ゼロキューキュー)
当座預金 口座番号 0076874
名義人:RAWAと連帯する会
2021年8月にターリバーンが復権して以来、アフガニスタン女性の権利は厳しい制約下に置かれています。創設者ミーナが立ち上げたアフガニスタン女性革命協会(RAWA)はサウス・フェミニズムの先駆者ですが、今なお最も困難な闘いを余儀なくされています。
RAWAと連帯する会は本年3月にアフガニスタン調査ツアーを敢行し、カーブル、ナンガルハル、バーミヤンを訪問しました。困難の中で闘い続けるRAWAに学び、交流し続けます。今回は改めて、アフガニスタン・フェミニズムとは何か、彼女たちは何とどのように闘っているのかを考えます。
<学習会とトークセッション>
(日時)10月14日(土)午後6時開場、6時30分開会
(場所)東京ボランティアセンター会議室(飯田橋)
東京都新宿区神楽河岸1-1 飯田橋セントラルプラザ10階
● 参加費無料
● アフガニスタン女性の権利を求めて
―RAWAの歩みと現在
前田朗:RAWAと連帯する会共同代表
編著書に『アフガニスタン女性の闘い』
『平和とジェンダー正義を求めて――アフガニスタンに希望の灯を』
『軍隊のない国家』
『旅する平和学』
訳書にメロディ・チャビス『ミーナ――立ちあがるアフガニスタン女性』など。
● トーク・セッション
参加者による意見・情報交換
主催:RAWAと連帯する会
連絡先:akira.maeda@jcom.zaq.ne.jp
アフガニスタンの永続的危機?
2023年8月16日
前田 朗
「国境なき女性たちWomen without Borders」の政策ペーパー「アフガニスタンの永続的危機? アフガン女性は問題の鍵をいかに保持するか」という文書がある。
表紙を入れて9頁。新しい情報ではなく、これまでに知られている事実についての検討と、今後に向けての勧告である。ごくごく簡潔に紹介する。
Nargis Nehan, Afghanistan’s Forever Crisis? How Afghan women hold the key to a
problem with no quick fix. Policy Paper No.10, August 2023, Women without
Borders.
*
国境なき女性たちは、ウィーンに事務局のある団体で、2001年以来、世界で、女性のリーダーシップとエンパワーメント、ジェンダーに基づく暴力に取り組んできた。
*
筆者のナージス・ネーハンNargis Nehanは亡命したアフガン女性人権活動家である。内戦時にパキスタンに逃れ、難民のための高校を卒業し、国際機関で働いてきた。アフガン教育省の顧問を務めたこともある。
*
ペーパーは2つの勧告を示す。
1. 世界は、アフガン女性と青年を長期に及ぶパートナーと承認しなければならない。アフガン女性及び市民社会ともっと真剣にかかわる必要があり、自分たちのプラットフォームで彼らを支援し、他の行為者と対話し、アフガニスタンの持続可能な平和のための政治的道筋を発展させる必要がある。
2. 国際社会は、現行の人道危機に対処しなければならない。経済崩壊により貧困に追いやられているアフガン人民は、空約束ではなく、緊急支援を必要としている。
*
ペーパーは、ターリバーン政権復帰後、西欧諸国の不作為の2年で、アフガニスタン人民には破壊的な悪影響が及ぼされたという。国連安保理事会の制裁監視チームによると、アル・カーイダやパキスタンのTTPなど、20以上のテロリスト集団がアフガンで活動している。ターリバーンとアル・カーイダの結びつきが強化されていると言われる。
西欧諸国はターリバーンが変化するのを2年間待って、アフガン人民の苦難を無視している。国際社会がアフガン女性の声に耳を傾けるべき時である。
*
女性やマイノリティの権利は益々制限されている。女性の仕事がどんどん奪われている。ハザラ人の宗教行事も妨害されている。
最近の命令は、女性がNGOや国連機関で働くことを禁止したため、ジェンダー平等がいっそう失われている。女性が生きるのが最も困難な国である。
国内では女性たちが危険を冒しながら声を挙げている。国から追い出され、一時収容され、新しい国での生活を余儀なくされている。路上やメディアで教育を受ける権利を主張している女性もいる。だが、自分の意見を表明することはますます困難となっている。
それでも、アフガン女性は国際社会がターリバーン政権を承認しないよう求めている。1990年代と違って、今日の女性たちにはソーシャルメディアがあり、世界に向けて情報発信している。
■(日時)7月29日(土) 9月2日(土) 10~16時
(場所)下御霊神社
■(日時)10月28日(土) 11~14時
(場所)京都YWCA
https://kyotoywca.business.site/
<販売>
☆アフガニスタン及び女性関係書籍
☆多種の手作りジャム・ケーキ
☆アフガニスタン小物
連絡・090-1960-7684 北垣
(雨天等で日が変更となる場合もあります)
■こちらからダウンロードしてください → 39号 2023年7月(PDF版)
<目次>
・初めの言葉
・8年ぶりのアフガニスタン
・RAWAとの交流
・ビビ・グルスクール訪問
・NGOとの交流
・秘密の学校訪問
・アフガニスタン訪問記
・報告会の感想
・支援の報告とお礼
ジェンダー迫害
2023年6月18日
前田 朗
ニューヨーク市立大学の「ジェンダー・法・革新的平和研究所」のジェンダー迫害シリーズの第1巻が出た。
『アフガニスタンにおけるジェンダー迫害――ある人道に対する罪――教育、集会、表現の基本権の重大な剥奪』
Gender Persecution in Afghanistan: A Crime
Against Humanity. Severe Deprivation of the Fundamental Rights to Education,
Assembly ,and Expression. 2023, Institute for Gender, Law, and Transformative
Peace, CUNY School of Law, MADRE.
*
アフガニスタンにおける女性の教育、集会、表現の自由の剥奪を、人道に対する罪としてのジェンダー迫害として把握する試みである。
著者はLisa Davis(CUNY准教授)とJM Kirby(MADRE事務局)である。
*
ジェンダー迫害と言う発想は、シドニー・ロースクールのRosemary Greyの「あなたの名誉は権利です。これは人道に対する罪で、ジェンダー迫害です」という言葉(2022年12月22日)に由来するという。
DavisとGreyは、この言葉を基に、国際刑事裁判所規程(1998年)の人道に対する罪としての迫害に立ち返り、その成立要件を確認し、「人道に対する罪としてのジェンダー迫害」の要素を抽出する。
主に参照される条文は次のとおりである。
*
国際刑事裁判所規程 第7条1項
この規程の適用上、「人道に対する犯罪」とは、文民たる住民に対する攻撃であって広範又は組織的なものの一部として、そのような一部として、そのような攻撃であると認識しつつ行う次のいずれかの行為をいう。
(g)強姦、性的な奴隷、強制売春、強いられた妊娠状態の継続、矯正断種その他あ らゆる形態の性的暴力であってこれらと同等の重大性を有するもの
(h)政治的、人種的、国民的、民族的、文化的又は宗教的な理由、3に定義する性に係る理由その他国際法の下で許されないことが普遍的に認められている理由に基づく特定の集団又は共同体に対する迫害であって、この1に掲げる行為又は裁判所の管轄権の範囲内にある犯罪を伴うもの
国際刑事裁判所規程 第7条2項(g)
「迫害」とは、集団又は共同体の同一性を理由として、国際法に違反して基本的な権利を意図的にかつ著しくはく奪することをいう
*
国際刑事裁判所規程における①ジェノサイド、②人道に対する罪、③戦争犯罪については、それぞれの成立要件が詳しく解釈するガイドラインが作成されている。迫害の立証のためには次の6つの要件が揃う必要がある。
1 実行者が、国際法に違反して、一人又は複数の人の基本権を著しくはく奪した。
2 実行者が、その一人又は複数の人を、ある集団又は共同体の同一性を理由として、攻撃対象とした、又は集団又は共同体それ自体を攻撃対象とした。
3 そのように攻撃対象としたことが、政治的、人種的、国民的、民族的、文化的、宗教的、規程の第7条3項に定義されたジェンダー、又はその他国際法の下で許されないことが普遍的に認められている理由に基づいていた。
4 実行行為が、規程第7条1項に掲げる行為又は裁判所の管轄権の範囲内にある犯罪と結びついて行われた。
5 実行行為が、文民たる住民に対する広範又は組織的な攻撃の一部として行われた。
6 実行行為者が、実行行為は文民たる住民に対する広範又は組織的な攻撃の一部であると知っていた、又はそれを意図していた。
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DavisとGreyは、以上の定義に照らして、ターリバーンの差別的なジェンダー政策とイデオロギーを確認する。特に2021年8月以後のターリバーンの声明や通知等を基に、ターリバーンの女性政策がジェンダー迫害と呼ぶことができるものであることを確認する。教育、集会、表現の自由について、ターリバーンが女性の基本権を著しく奪ってきた事実を列挙したうえで、いずれについても人道に対する罪が成立するのではないかと唱える。
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事実関係については、従来の報道や、人権NGOが提供してきた数々の事実を紹介しながら、DavisとGreyは、上記の6つの成立要件が満たされていることを丁寧に確認している。その意味で新奇性のある論文と言える。
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DavisとGreyは、被告人を特定して国際刑事裁判所で刑事裁判にかけるべきだと考えているものの、そこまで論述が及んでいるわけではない。アフガニスタンにおける戦争犯罪や人道に対する罪を国際刑事裁判所で裁くべきだという一般的な思考を、さらに一歩前に進めて、犯罪成立要件のレベルで詳細に論じている。この点で参考になる。
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ジェンダー迫害という視点も重要だ。人道に対する罪としての迫害は、主にユダヤ人迫害を念頭に考えられた概念なので、宗教や民族への迫害が中心だが、概念的にはジェンダーも明記されている。そして第7条1項(g)では強姦等の性暴力が掲げられているので、女性に対する性暴力犯罪はこちらに該当すると考えられる。DavisとGreyは、第7条1項(g)と(h)を関連させて「ジェンダー迫害」とみているようだ。
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