「RAWAと連帯する会」では、「RAWA」へ寄付するため、
書籍・雑貨・アクセサリー・食品などを各種イベントで販売しています。
(参加費) 700円
(参加費) 500円
いずれも連絡先 090-3656-7409(桐生)
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2023年1月9日
前田 朗
「拾い読みアフガニスタン13&15」の続き。
ジョン・ホプキンス大学の人道保健・人権センター報告書『アフガニスタンにおける出産と子どもの保健の危機』(2022年)の紹介。
The Maternal and Child Health Crisis in
Afghanistan, 2022. Johns Hopkins Centers for Public Health and Human Rights and
for Humanitarian Health.
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2 医療の提供可能性と質の深刻な衰退
適切なスタッフ、賃金、医薬品がないうえ、ターリバーンによるハラスメントがあるため、医療の提供可能性が低減し続けている。回答者の40%が、2021年8月以後、出産・子どもの健康に悪影響が続いていると答えた。地方のスタッフは50%、都会のスタッフは33%に達する。質の低下が著しく、30.2%が労働条件の悪化が医療の質に悪影響を与えていると回答した。
都会の5つのセンターのスタッフは、公共センターでも私立センターでも、42.9%が状況悪化を訴えている。38.1%が子どもの病気の診療ニーズが高くなったとし、57.1%が栄養失調の増加を報告した。
ある職員はこう述べている。「財源がほとんどないので、人々は自宅での看護を選ばざるを得ません。合併症があって、生存に悪影響を与えています。」
別のスタッフによると、「保健労働者が出勤するのは週に1回です。労働者自身が母親をなくしたり、看病していたりの状況です。」
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3 出産と幼児の死亡の増加
出産と子どもの死亡についての調査・監視機能がないため、実態は不明であるが、状況の悪化は著しい。36.6%が産婦・子どもの死亡が増えているという。
「私が連絡をとってきた保健労働者によると、子どもの栄養失調があります。毎日、病院に行っていますが、10人のうち5~6人の子供が栄養失調です。女性の栄養不足です。」
「2カ月前、ある祖母がこういっていました。近所に病院があるけど、戦闘が行われているため、娘の赤ちゃん2人が死んだ。病院に行けなかった。」
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4 アフガニスタン保健制度の将来についての関心
保健労働の専門家は、医療へのアクセス、研修、補償、移動の自由がないという。アメリカには持続可能な計画がないし、制裁や経済政策はアフガン経済を悪化させている。財政支援がなく、ターリバーンが制約するため、保健分野の人的資源が減り続けている。
「保健サービスの質はいっそう貧しくなっています。財政支援がありません。言えることは、医療サービスの教育が必要だということです。とにかく医療の専門家が必要です。」
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「分析とこれからの道」
報告書は最後に「分析とこれからの道」をまとめている。報告書は何よりも、出産時の子どもの死亡と、栄養失調による子どもの死亡の増加に警鐘を鳴らしている。
2021年8月のターリバーン政権獲得以後、女性と少女の中等教育の否定、保健医療への資金途絶、女性に対するハラスメントと脅迫の増加があるという。女性職員は職場に安全に往復することも困難である。女性職員の減少と、女性職員による意思決定が損なわれている。
本報告書のための調査開始以来、ターリバーンによる制約は増えており、質の低下が進行している。
アメリカや世界銀行をはじめとする国際的な支援国は過去において人道支援を続けているが、大量飢餓や医療崩壊の危機にある。国際赤十字委員会、世界保健機関、UNICEF等は、これ以上の死亡を予防する人道支援が求められる。医療施設は計画的な医療行為を続けられるよう、財政支援、安全確保、及び医療物資提供が必要である。
<講師>
☆清末 愛砂
「RAWAが大切にしてきたもの
ー教育実践の根幹にある理念とこれまでの歩み」
☆前田 朗
「フェミサイド(女性殺害) アフガニスタンと世界の状況」
日時:2023年 1月21日(土)13:45~16:30
(開場13:30)
会場:ドーンセンター(大阪 天満橋)
アクセス|大阪府立男女共同参画・青少年センター(ドーンセンター):: DawnCenter
参加費:700円 (予約不要)
連絡先:090-3656-7409(桐生)
主催:RAWAと連帯する会
共催:室蘭工業大学大学院工学研究科 ひと文化領域 清末愛砂研究室
2022年12月11日
前田 朗
「拾い読みアフガニスタン13」の続き。
ジョン・ホプキンス大学の人道保健・人権センター報告書『アフガニスタンにおける出産と子どもの保健の危機』(2022年)の紹介。
The Maternal and Child Health Crisis in Afghanistan, 2022. Johns Hopkins Centers for Public Health and Human Rights and for Humanitarian Health.
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冒頭に5項目の勧告がまとめられている。
1 アメリカその他の支援国、国連機関は、WHOやUNICEFが行っている過程を加速させる べきであり、アフガンにおける国連支援団の保護の下での長期的な観点での保健の発展、保健財政計画を、新しい援助計画の一部とするべきである。この計画はアフガニスタンの保健制度の維持にとっての挑戦に即して、すみやかに開発し履行されねばならない。
2 財政と保健計画には、アフガニスタンにおける保健専門機関及び規制機関のための協力と財政支援が含まれるべきである。
3 3つの住民保健調査をアフガン全土34州における保険状況をよりよく理解するために速やかに実施するべきである。調査結果は構造的な保健計画に役立てるべきである。
4 アメリカ政府はターリバーンと交渉を続け、中央銀行機能を再建し、経済封鎖を解除するべきである。バイデン政権は2022年9月にスイスに「アフガン基金」を創設する措置を講じたが、中央銀行機能が回復していない。
5 アメリカとその同盟国は、ターリバーン政権が女性の権利(移動の自由、教育、雇用、保健へのアクセス)を侵害するのを止めるために圧力を加えて外交交渉を続けるべきである。
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報告書は2つの調査に基づいている。
第1に、アフガン34州の公的保健機関及び私的保健機関に勤務する保健職員の体験である。
第2に、5つの地域におけるNGOが支援する施設で働く保健職員の体験である。
調査は、労働条件、安全性、出産と子どもの保健、その将来を含む。調査はインターネットを通じて実施された。全調査対象者につきインフォームド・コンセント。安全性の理由から調査対象者の個人情報は含まれない。調査期間は2022年2~4月である。131人の保健職員が調査に応じた。第1の調査で89人、第2の調査で42人。うち80%が女性である。第1の調査の3分の2が地方の公的保健施設である。約60%が田舎の施設である。NGO支援施設の半分は都会である。
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調査の結果明らかになった事実
1 適切な医療を提供する条件の劣化
2 医療の提供可能性と質の深刻な衰退
3 出産と幼児の死亡の増加
4 アフガニスタン保健制度の将来についての関心
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1 適切な医療を提供する条件の劣化
まず継続的な賃金支払いがない。
西欧諸国による支援が始まったが、定期的に賃金支払いを受けている労働者はいない。89.8%が2021年8月以後に賃金支払いを受けたとはいえ、多数の者が賃金が50%以下になった。
ある保健労働者は次のように述べた。
「彼女にはもう期待できることはないわ。家族のため、子どものための食料や何やらを買うために働いているのに、想像できるかしら、賃金が支払われないなんて。これが現実だから、本当に困ってるの。」
もう一人によると、
「どこの病院も施設でも、みんな賃金をもらってないの。もう4~6カ月よ。だから、家族にも負担ばかり、施設の職員にも負担ばかり。」
次に備品も医薬品もない。
ある保健職員は語る。
「彼女は鉄分が足りないからより良い栄養補給が必要なんだけど、説得しようとしても聞かないの。だって、薬が必要なんだから薬を投与しなくちゃいけないけど、病院には薬がないのよ。だから、その次から病院には来なくなるの。こんな調子だから仕事に差し支えるのよ。」
さらにターリバーンによる制限やハラスメントがある。
女性保健職員は、ほぼ毎日のようにハラスメント、暴力、脅迫に晒されている。ターリバーンの役人に出会うと暴力被害を受ける。
「ターリバーンの責任者は、なんでお前はここに来たのかって言いうのよ。お前のマーラム(男性エスコート)はどこにいる。どこにもいないのか。夫はどこだ。マーラムなしで保健省に来るな。こう言って、職員のやる気をなくさせるの。ほんとに精神的にダメージよ。毎日、こんな調子だから。」
73.3%が職場への通勤も安全ではないと回答した。81%はターリバーンに職務質問を受け、ハラスメントを受けている。田舎の施設の女性職員の57.7%が安全でなくなったと回答している。
「私の施設には40人の保健職員がいます。みんな病院に来ては、ターリバーンに直面するのです。ターリバーンはお前たちは歓迎されていないと言います。マーラムなしで働きに来ることはできないって。私たちは保健提供者だから病院に行かなくてはならないと説明します。ターリバーンは暴力を使わなくても、叫ぶんです。私たちは祈ることしかできません。」
職員不足のため、ストレスがたまる。
ある職員によると、
「仕事を辞めた職員もいます。外国に行った人もいるし、保健職員が一人もいない病院もあるくらい。専門職員は一人もいません。」
78.6%の職員がモチベーションの低下を嘆いている。
「仕事は午後4時から午前8時までです。病院で患者を診るのに、夜勤をしなくてはならず、とても長時間です。朝には本当に疲れ果てて、もうエネルギーが残っていません。ベストを尽くそうとしますが、ええ、ベストを尽くそうとしているんですが。」
2022年11月26日
前田 朗
2022年11月25日、国連人権理事会の特別報告者など人権専門家がアフガニスタンの女性に対するターリバーンの人道に対する罪(ジェンダー迫害)に警鐘を鳴らした。以下、簡潔に紹介する。
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リチャード・ベネット:アフガニスタンにおける人権状況特別報告者
ドロシー・エストラーダ・タンク:女性と少女に対する差別作業部会長
イヴァナ・ラダチッチ
エリザベス・ブロデリック
メスケレム・ゲセット・テチャネ
メリッサ・ウプレチ(以上、同作業部会メンバー)
アレクサンドラ・シャンザキ:文化的権利特別報告者
ファリダ・シャヒード:教育の権利特別報告者
クレマン・ニャレトッシ・ブール:平穏な集会の権利特別報告者
メアリ・ローラー:人権擁護者の状況特別報告者
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特別報告者たちは、「過去数カ月、アフガニスタンにおける女性と少女の基本権と自由に対する侵害は、世界でもっとも深刻で許容できないものであったが、いっそう度を増している」という。特別報告者らは、ジェンダー迫害は人道に対する罪に当たる、国際法の下で訴追されうるものであるという。
⃝監獄に等しい
少女は中等学校から追い出され、女性は公園、ジム、その他の公共空間に入ることを止められ、ある地域では大学からも排除されている。女性の講演へのアクセス禁止は、子どものレジャーの機会も否定し、遊びやレクリエーションの権利も奪っている。女性が自宅に留め置かれることは、監獄に等しい。DVや精神衛生への困難の度合いを増している。
⃝ジェンダーを手段とする
同時に、ターリバーンの役人はカラフルな色彩の衣装を着た女性や、顔を覆っていない女性と一緒にいる男性を酷く殴りつけている。ターリバーンは、女性が犯罪を犯したとのかどで、男性親族を処罰している。一方のジェンダーを手段として、男性に、女性の行動や移動を統制させようとしている。ターリバーンの指令に抵抗する女性を処罰することを男性に強制しようとしている。女性に対する暴力を常態化するものである。
⃝擁護者を擁護する
女性人権擁護者(人権活動家)が、女性に対する制限が増えることに平穏に抵抗しているが、そのため標的とされ、殴られ、逮捕されている。11月3日、ある記者会見が妨害され、参加者が逮捕された。ザリファ・ヤコービと4人の男性で、まだ身柄拘束されている。
逮捕された人権擁護者の健康状態に懸念を表明し、基本権を行使するものを逮捕することは違法であり、恣意的な拘禁であるという。
⃝ターリバーンへの呼びかけ
特別報告者らは、ターリバーンに国際人権上の義務を守り、人権基準を完全に履行するよう呼びかける。教育、雇用、政治参加、文化生活の権利を保障するよう呼びかける。
特別報告者らはヤコービと男性たちを即座に釈放するよう強調し、拘禁の理由を説明し、家族や弁護士との面会を認めるよう強調する。
妨害や攻撃なしに集会の権利を尊重すること、少女のための中等教育の開始、大学教育へのアクセスの確保、公共の場に参加する際のすべての制限の除去を求める。
⃝国際的行動が必要だ
特別報告者らは、国際社会に、ターリバーンと協議して、女性への制限を解除し、女性の権利を尊重・保護するよう要求するよう呼びかけた。世界の指導者は、ジェンダー迫害について、適切な国際管轄権及び地域管轄権のもとで、責任者を捜査し、訴追する措置を講じるべきであり、アフガンの人権擁護者を支援し、女性のための安全なプラットフォームを用意するべきである。
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以上が紹介である。
以下、補足的説明。
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「ジェンダー迫害gender persecution」という言葉が用いられている。迫害は、ニュルンベルク裁判憲章や東京裁判憲章において人道に対する罪の一つとされていた。旧ユーゴ国際法廷規程、ルワンダ国際刑事法廷規程、そして1998年の国際刑事裁判所規程でも、「人道に対する罪としての迫害」が国際犯罪とされている。ユダヤ人迫害に代表されるように、通常は人種や民族を理由とする迫害が想定されるが、声明ではジェンダー迫害も人道に対する罪だとしている。
なお、「人道に対する罪」は一つの犯罪を指す言葉ではない。「人道に対する罪としての殺人」「人道に対する罪としてのせん滅」「人道に対する罪としての奴隷化」「人道に対する罪としての拷問」「人道に対する罪としてのアパルトヘイト」「人道に対する罪としての強姦」「人道に対する罪としての迫害」などの犯罪を指す総称である。
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「国際管轄権」という言葉が用いられている。国際犯罪を裁くために設定されている国際管轄権とは、現在、ハーグにある国際刑事裁判所のことを意味する。アフガニスタンは2003年に国際刑事裁判所規程に加入しているので、国際刑事裁判所の検事は実際にアフガニスタンにおける国際犯罪について捜査を行っている。
他方、「地域管轄権」は、旧ユーゴ法廷、ルワンダ法廷、カンボジア法廷、東ティモール法廷、シエラレオネ法廷などが知られるが、アフガンに関する地域管轄権は存在しない。
2022年11月16日
前田 朗
ジョン・ホプキンス大学の人道保健・人権センターが報告書『アフガニスタンにおける出産と子どもの保健の危機』(2022年)を公表した。執筆者はラビア・ジャララザイ、ナンシー・グラス、レオナルド・ルーベンスタインである。
The Maternal and Child Health Crisis in
Afghanistan, 2022. Johns Hopkins Centers for Public Health and Human Rights and
for Humanitarian Health.
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<目次>
要約
勧告
序文
医療と保健を受けられる可能性と質の変化に関する研究
分析とこれからの道
参照註
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以下、ごく簡潔に紹介する。
*
要約
この20年間、アメリカはアフガニスタンの人々の医療システムのために数百万ドルの支援をしてきた。アフガンの人々は長期にわたって、出生時の死亡や子どもの死亡の危機にある。国際NGOや各国NGOは公衆保健省に協力し、数千人の保健職員に研修をし、衛生管理を施してきた。戦争、政府の腐敗、その他の巨大な困難にもかかわらず、顕著な成果があった。子ども・幼児死亡率は半減した。だが、アフガンは極貧のため2021年も世界最悪の数値を示している。
2021年8月のターリバーン政権獲得は経済的健康的破局と政治的危機、人権の危機をもたらした。援助国は財政支援を打ち切り、ターリバーン政権に経済制裁を科した。アフガン経済へのダメージは深刻で、70%が失業、数百万の人々が貧困に陥り、飢餓に喘いでいる。人道的食糧援助によりかろうじて大量飢餓死を防いでいる。
アメリカ、世界銀行、国連、赤十字国際委員会が医療緊急援助を行ったが、経済制裁のため保健職員への給与支払いもままならない。医薬品も入手困難である。
ターリバーン政権の施策は危機を悪化させている。初期には女性の権利を尊重するとしていたが、少女が中学校に通うことを禁止し、女性の就業を制限し、厳しい衣服規則を出し、女性の屋外の行動や旅行に対して暴力と脅迫を用いている。
それゆえ、2021年のアフガンにおける労働条件、保健職員の安全、子どもの保健、出産死、子ども死の変化について研究した。医療保健の専門家育成の教育への財政支援の欠如にも関心があり、センターは研究をつづけた。
2~4月に、89人の職員にインタヴューを行った。公的施設及び私的施設、都市及び地方の医療センターを含む。調査は2022年2~4月、ZOOMを用いた。
調査の結果、4つのことが判明した。
第1に、出産と子どもの保健提供条件の深刻な劣化である。保健職員は厳しい労働条件化にあり、43.8%が悪化している、酷く悪化したと回答した。半数以上が2021年8月以後、定期的な給与支払いを受けていない。46.6%が患者に必要な医薬品が決定的に減っていると回答した。NGO運営の5つのセンターからも同様の回答である。28.9%が医療の質を維持できない状況を回答した。
こうした困難にもかかわらず維持運営を続けようとしているが、保健職員は日々、ターリバーン政権からハラスメントや暴力の脅迫を受けている。女性職員の81%が安全に問題があると報告している。男性同伴者なしで旅行先でターリバーンに殴られる経験をしている。タクシーに乗ることも難しい。NGO職員の80%が2021年8月以来モチベーションの低下を感じている。
第2に、2021年8月以来、医療の質の低下が著しい。40.4%がコミュニティにおける出産や子どもの保健の条件が劣化したと回答している。24%が、条件悪化ゆえに、母子への医療提供ができなくなっている。国家財政の危機、保健職員の能力低下、貧困な労働条件、財源不足により、女性もその家族も業務継続ができない。
第3に、保健職員によると、出産死率が高まっている。36.6%が幼児死亡を報告している。31.4%が2021年8月以後に出産死を経験している。5つの地域では、64.3%が最近1カ月に母子の死亡を経験している。
第4に、保健職員は将来についての関心を表明している。出産死や幼児死につながるような要因を報告している。財政支援の喪失、経済危機、少女の中学校禁止、保健施設の閉鎖、看護教育の閉鎖である。
2022年10月19日
前田朗
9月6日、国連人権理事会第51会期(本年9月12日~10月7日)のために、リチャード・ベネット「アフガニスタンの人権状況に関する特別報告者」の報告書(A/HRC/51/6. 6 September 2022)が提出・受理され、公表された。
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「Ⅴ 人権状況の観察」の「F 民族的宗教的マイノリティ」を簡潔に紹介する。
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アフガンには文化的、言語的、伝統的価値の異なる民族的宗教的マイノリティが存在する。イスラム教が主要な宗教で人口の95%だが、シーク教、ヒンドゥー教、ユダヤ教、キリスト教のような宗教集団も数世紀にわたって居住している。宗教迫害、紛争、不寛容のため、重大な危害、迫害を受け、非ムスリムのアフガン人は1990年代以後国外に逃げ始めた。
特別報告者は2021年8月以後のマイノリティの状況に関心を有する。信仰、教育、医療の場が組織的に攻撃され、メンバーが恣意的に拘禁、拷問、恣意的に処刑され、国外逃亡を余儀なくされている。
ハザラ人は圧倒的にシーア派で、歴史的にもっともひどい迫害を受けてきた。多様な差別をうけ、人権に制約を受けてきた。ターリバーンはハザラ人支配地域の政府にパシュトゥ人を任命した。ハザラ人は自宅から追い出されている。恣意的逮捕、拷問その他の残虐な取り扱い、強制失踪の報告がある。オンラインや金曜日の礼拝において、ハザラ人は殺されるべきだという演説がなされている。
5月に特別報告者は、マザリシャリフのセドカン・モスク、及びカーブルのダシュテ・バルチの学校を訪問した。これらは2021年と2022年にISISによる攻撃を受けた。サイエド・アルシュハーダ学校は2021年5月8日に攻撃され、86人が死亡し、そのほとんどが11~17歳のハザラ人少女であった。1人の生存者によると、「学校が終わって、帰るととしていたら、突然、爆発音が聞こえました。床に倒れました。血が出ているのに気づきました。友達は動かなくなっていました。叫びました。何も見えなくなりました。叫び声だけが聞こえました。2度目の爆発が聞こえました。今日のことは決して忘れません。私たちは子どもで、誰も傷つけたことがないのに。」
こうした攻撃やハザラ人への迫害は、組織的に行われ、政策を反映しており、人道に対する罪である。事実上の権力は、すべての住民を保護する義務がある。学校、信仰の場、マイノリティがしばしば訪れる場所を保護するべきである。
2021年9月、アフガンのユダヤ人コミュニティの最後のメンバーが国外逃亡を強いられた。シーク教とヒンドゥー教の人口は数年で劇的に減少した。2016年には7,000人いたのに、2022年には50人になったという。
現在の行政には宗教的民族的多様性が欠落している。ハザラ人はシンボリックにわずかだけ任命されているに過ぎない。前政権下では政府の三権にハザラ人がいて、副大統領にもなっていた。シーク教とヒンドゥー教も立法府に代表を送り、政策決定に関与していた。
特別報告者は、組織的攻撃と広範な差別に関心を持ち、将来の迫害を予防するよう主張している。
pdf版 表面←ダウンロードできます pdf版 裏面 ←ダウンロードできます (日時) 10/2 (金)~4(日) (場所)北とぴあ 地下展示ホール 王子駅(京浜東北 / 南北線) すぐ アクセス | 北とぴあ 参加...