6月10日
前田 朗
5月16日、ターリバーンの広報官ハビトゥラー・アクンザーダは、議会と国家安全保障会議を解散すると発表した。同時に、国家和解高等委員会、独立人権委員会、憲法施行監視委員会も解散すると発表した。
22年5月24日
アフガニスタンの状況に関する国連安全保障理事会声明
安全保障理事会構成国は、アフガニスタンにおける女性と少女の人権と基本的自由の尊重がターリバーン政権によってますます侵されていることに深い関心を表明する。それには教育、雇用、移動の自由、公的生活における女性の完全で平等な参加へのアクセスの制限が含まれる。これらの制限は国際社会の期待に反するだけでなく、ターリバーン政権がアフガン人民に行った言明にも反する。
安全保障理事会構成国は、すべての女性が公共空間やメディア放送に際して顔を覆わなければならず、必要があって外出する際にも同様であり、この指令に違反すると男性親族を処罰するというターリバーン政権の発表に深い関心を表明する。安全保障理事会構成国は、いくつかの重要な国家機関を解散するというターリバーン政権の決定にも関心を表明する。
安全保障理事会構成国は、ターリバーン政権に、アフガン女性と少女の人権と基本的自由を制限する政策と慣行を速やかに変更するようにとの呼びかけを繰り返す。安全保障理事会構成国は、ターリバーン政権に、これ以上遅滞することなく、すべての女性生徒のために学校を再開するとの言明を遵守するよう呼びかける。
安全保障理事会構成国は、アフガニスタンにおける危険な状況に深い関心を表明する。それには政治、経済、社会、安全の困難、及びアフガン人民の生命への影響、特にアフガニスタン全土における宗教的マイノリティーの共同体において、民間人や民間施設へのテロリストの攻撃が続いていること、及び違法な麻薬の栽培、生産、販売が含まれる。
安全保障理事会構成国はさらに、アフガニスタンにおける恐るべき人道的経済的状況に深い関心を表明する。アフガニスタンにおける人道的必要を支援する人道援助その他の活動を強化する努力がなされているが、女性を含むすべての人道要員のために完全、安全、妨げのない人道アクセスを許すことで、すべての行為者に効果的な人道アクセスを届ける必要があることを強調する。さらにアフガニスタン経済が直面する実質的困難に対処する必要を認識し、銀行制度と金融制度を修復し、アフガン人民の利益のためにアフガニスタン中央銀行が所有する資産を運用できるようにする必要を認識する。
安全保障理事会構成国は、国連アフガニスタン支援団(UNAMA)が状況を子細に監視し、報告し続け、国連事務総長特別代表が、これらの諸問題について、UNAMAの任務に従って、すべての関係当局を含むアフガン政治家及び関係者と連携し、その進展状況を安全保障理事会に報告するよう要請する。